グルクロン酸抱合に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1.グルクロン酸抱合は解毒反応であり、未変化体に比べ活性が高い代謝物が生成されることはない
2.UDP–グルクロン酸転移酵素は小胞体膜に局在する。
3.グルクロン酸抱合はウリジン二リン酸–β–D–グルクロン酸を補酵素とする。
4.シトクロムP450とは異なり、UDP−グルクロン酸転移酵素に酵素誘導は起こらない。
5.胆汁中に排泄されたグルクロン酸抱合体は、小腸上皮細胞に発現しているβ−グルクロニダーゼによって加水分解された後、アグリコンが再吸収される。
答え
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2
1:誤
モルヒネはグルクロン酸抱合を受けたモルヒネ-6-グルクロニドが活性代謝物です。
2:正
UDP–グルクロン酸転移酵素は小胞体膜に局在しています。抱合反応を担う転移酵素は他に硫酸抱合を担う硫酸転移酵素、アセチル抱合を担うアセチル基転移酵素、グルタチオン抱合を担うグルタチオン転移酵素、アミノ酸抱合を担うN-アシル転移酵素などがあります。
より重い方(低Gでの遠心で沈殿する画分)から並べると、
N-アシル転移酵素:ミトコンドリア(ミトコンドリア画分)
UDP–グルクロン酸転移酵素、シトクロムP450(CYP):小胞体膜(ミクロソーム画分)
硫酸転移酵素、アセチル基転移酵素、グルタチオン転移酵素:細胞質(可溶性画分)
3:誤
グルクロン酸抱合はウリジン二リン酸–α–D–グルクロン酸を補酵素としています。
抱合体は水酸基がSn2反応するため、β位に被代謝物が結合することになります。
4:誤
5:アグリコンは配糖体において糖が脱離した後の残りの部分です。β−グルクロニダーゼは腸内細菌叢に発現しています。抱合体はβ体のため、関与するのはβ-グルクロニダーゼです。
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