薬剤師国家試験第102回 問130

スポンサーリンク

薬剤師国家試験第102回 問130

グルタチオン抱合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 基質の求核性部位にグルタチオンが結合する。
2 この反応を触媒する酵素は、グルタチオンペルオキシダーゼである。
3 この抱合反応の後に起こるメルカプツール酸の生成には、アセチル抱合が関与する。
4 アセトアミノフェンの代謝的活性化に関与する。
5 1,2-ジブロモエタンの代謝的活性化に関与する。

解答・解説






1:誤
電子部位にグルタチオンが結合しています。

グルタチオン抱合では硫黄原子上の電子が基質の電子不足の部位に攻撃します。つまり、基質上では電子を必要としているとみなせば、求電子部位に反応することがわかります。

2:誤
反応を触媒する酵素はグルタチオン-S-トランスフェラーゼです。グルタチオンを転移させる酵素です。

3:正
グルタチオン抱合を受け、グリシンとグルタミン酸が脱離したのちにシステインのアミノ基がアセチル抱合を受けます。

4:誤
グルタチオン抱合はアセトアミノフェンの代謝的活性化に関与していません。アセトアミノフェンの活性代謝物としては、肝毒性のあるp-ベンゾキノンイミンがありますが、これはCYP2E1で代謝されます。これを代謝し、無毒化に関わるのがグルタチオン抱合です。

3、4については、以下のリンクでアセトアミノフェンの代謝反応を確認できます。

5:正
グルタチオン抱合が毒性を有す活性代謝物の産生に関わっています。

グルタチオン抱合を受ける際に臭素が脱離し、三員環上の硫黄にカチオンを有すエピスルホニウムイオンとなります。これが求電子性を持つため、ここにDNA(求核性の高いグアニンのアミノ基)が反応し、DNAが損傷を受けます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました