来年の10連休にドイツに行こうと思っていて、フランクフルトでも宿泊する予定なので、歴史が感じられそうな観光名所である聖バルトロメウス大聖堂に行ってこようと思います。
聖バルトロメウス教会は6世紀頃まで遡れるそうで、フランクフルトでも有数の歴史的な観光名所です。
日本語のWikipediaで調べてみても情報が出てこなかったので、記事にしてみました。
概要
聖バルトロメウス大聖堂(フランクフルト大聖堂)は、フランクフルト中心部に位置するローマカトリックのゴシック教会であり、バルトロマイ(新約聖書に登場するイエスの使徒の一人)に捧げられています。
この大聖堂はフランクフルト市における最大の宗教建造物であり、かつての帝国(神聖ローマ帝国)教会です。
一般的な教会とは異なり、神聖ローマ帝国皇帝の選挙と戴冠式が行われる教会として、帝国史における重要な建造物にあり、特に19世紀においてはドイツ統一の象徴でもありました。
長い歴史の中で、大聖堂は幾度もその姿を変え、今の教会を形作っていることも特筆すべき事項でしょう。
(メロヴィング時代の礼拝堂⇒カロリング時代の礼拝堂⇒カロリング時代の救世主教会⇒ロマネスク様式の救世主教会⇒聖バルトロメウス教会)
この大聖堂はフランクフルトの神聖ローマ帝国皇帝の宮殿(Kaiserpfalz)の宗教施設としての役割も果たしていたため、大聖堂の歴史はフランクフルトの歴史とも密接に関わっています。
メロヴィング時代
6世紀頃、現在の大聖堂があった土地に王宮が建造されていたことがわかっています。王宮には、王室礼拝堂があったと可能性が高く、それが今の大聖堂の前身であると考えられています。
カロリング時代の時代
794年、フランク王国国王のカール大帝は当時この場所にあった王宮の礼拝堂でフランクフルト会議を行ったとの記録が残っています(会議の数年前に礼拝堂は建て直された。)。
また、852年に救世主教会になると、その3年後の855年にフランクフルトで初めての皇帝選挙が行われています。この選挙でルートヴィヒ2世が単独の皇帝となります。
聖バルトロメウス大聖堂となる前の姿ではありますが、古くから重要な役割を果たしてきた建物であると言えます。
フランクフルトにそんな場所があったなんて全く知らなかったです。
ロマネスク様式の時代
11世紀から始まったザーリアー朝の時代には、王宮は現在のドイツ中南部のシュパイアーに置かれたため、教会は次第に荒廃していきます。
完全に崩壊する可能性のあった教会ですが、12世紀にホーエンシュタウフェン朝が始まると、再び日の目を見ることとなります。王宮(ザールホフ)がフランクフルトに建造され、教会も再び使用されるようになったためです。
1238年、教皇グレゴリー1世による救世主教会の修理を求めに応じて、教会は修理され、新しく聖バルトロマイに捧げられることとなります。
ゴシック様式の時代
1239年、教会はバルトロマイに捧げられた後、現在のゴシック様式の大聖堂の建造が始まります。実際の建築作業は1250年から1514年にかけて行われました。
当初は、頂塔の建造が計画されていましたが、資金不足のため弥縫策として仮のドーム塔が建設されました。特徴的な形だったため、数世紀にわたってこのドーム塔は街の名所であったようです。
1356年以降、この帝国教会は神聖ローマ帝国皇帝が選出される場所として使用されていましたし、1462年から1792年においては、選出された皇帝が戴冠される場所でした。
なお、選挙は(1425年に皇帝選挙のために建設された)南側の内陣にあるチャペルで行われていました。
内陣の入り口のクロシッング(身廊と翼廊の交差部)にあるバルトロマイの頭蓋骨が(と言われている)安置されている中央の祭壇で、皇帝の聖別と戴冠は行われていました。
市による接収と火災による再建
19世紀前半にドイツで起きた宗教施設の世俗化と領土再編の流れで、フランクフルト市は世俗化し、教会とその資産は市によって接収されます。
1867年の火災の後、1878年にもともと計画されていた頂塔が建造されました。このとき、今の様式と同じ形になります。
1943年10月から1944年3月の間の連合国空軍の6度にわたる爆撃でフランクフルト市は壊滅的被害を受けました。聖バルトロメウス教会も例外ではなく、深刻な被害を受け、内装は完全に焼失しました。
今の建物は1950年代に再建されたものになります。
まとめ
ということで、火災や戦争の被害で再建されていますが、遡ればメロヴィング朝時代、1300年も前からあった教会のようですので、実際に見てみて歴史を感じてきたいと思っています。
今の素晴らしい頂塔は、資金不足の末に泣く泣くドーム塔になっていた時代を経てようやく作られたものだと考えると、感慨深いものがあるような気がします。
キリストの使途バルトロマイが祀られているとのことで、ヨーロッパの歴史に思いを馳せながら観光したいと思います。
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