昔からヒゲが濃いのが悩みでした。ヒゲが濃いがゆえに、シェーバーで丁寧に剃っても青ヒゲが残り、老け顔に見られることも多々あります。
ヒゲが伸びるのも尋常なスピードではなく、朝に念入りに剃ったとしても、昼過ぎにはピンセットでつまめるくらいには伸びてきてしまうことも大きな悩みです。
1日剃らなかっただけで、次の日には皮膚から2mm以上も飛び出るヒゲもあります。試しに写真撮ってみましたが、気持ち悪いのでモザイクかけてます。
単純換算で(1日剃らないということは、48時間剃らないということになるので)、24時間で1mm以上伸びます。6時間で0.3mmくらい伸びるヒゲがあっても不思議ではありません。
それが嫌で、ピンセットで毛を抜いていた時期もありました。毛を抜くと、青髭が気にならなくなるのですが、どうしても埋没毛が出てきてしまいます。
埋没毛も100本以上を1~2か月抜き続けて、数本程度しか現れないし、埋没毛を取り除くために、焼いた待ち針で皮膚をほじくってピンセットで引っ張ってみたいなことをやっていましたが、上手く取り除けば痕にならないので、最初は気にしていませんでした。
しかし、上手く抜けないとどうしても痕になってしまうことがありました。特にひどかったのは、皮膚に出来た側溝のような細い溝です。埋没毛を地中から取り除いたためにできてしまった痕はいまだに残っています。
これを毎回していたら、肌が汚くなってしまいそうだったので、ピンセットで毛を抜くことは諦めました。
しかし、毛を抜かなくなると、また青髭が気になってくる。人より濃い青髭のせいでかなり悩んでいます。
そこでチャレンジしようと思ったのが、永久脱毛です。
クリニックやサロンでできる永久脱毛は、費用も高く私には到底手がでません。
そのため、家庭用の脱毛器にチャレンジしようと思い、この記事を書いています。
家庭用のヒゲ脱毛器
そこで、ヒゲ脱毛器をいくつかピックアップして挑戦してみようと思いました。
家庭用のヒゲ脱毛器には大きく分けて、光脱毛器(IPL方式)とレーザー脱毛器の2種類があります。IPLは、Intense Pulse Lightの略で、強い光を瞬間的に当てるという意味になります。
ヒゲが伸びるのは、ヒゲの根元の毛母細胞が増殖・分裂することによるもので、いずれの方式もこの毛母細胞を減らし、死滅させることでヒゲが伸びにくくする作用を持っています。
図中では、下から2番目、Hair Matrix(毛母)という部分を構成しているのが、毛母細胞です。これがヒゲを伸ばす役割を担っています。
なお、光脱毛器には、その他にジェルを使うSSC方式(Smooth Skin Control)や毛母細胞を生成するバルジ領域にダメージを与えるSHR方式(Super Hair Removal)といった種類がありますが、家庭用脱毛器ではコストや手間などの面からIPL方式が主流です。
ちなみに光脱毛器では有名なケノンもこのIPL方式です。
SHR方式の脱毛器は中国のBoSidinという会社が開発しているようですね。レーザー脱毛と書かれていますが、OPTと商品説明に書かれています。これはSHR方式の一種です。
光脱毛とレーザー脱毛のメリット、デメリット
家庭用の光脱毛器とレーザー脱毛器を比較すると、光脱毛器では照射範囲が広いが、出力が弱く、一方で、レーザー脱毛器では照射範囲がせまいが出力が強い、といった違いがあります。
光脱毛器では、一回の照射に対して毛母細胞を減らすことのできる割合が小さいが、痛みが比較的弱い、レーザー脱毛器では、毛母細胞を減らすことのできる割合が大きいが、痛みが比較的強いといった違いになります。
ヒゲ脱毛に有効なのは、光脱毛かレーザー脱毛か
ヒゲは太く伸びるのが早い毛であり、毛母細胞が活発なため、脱毛を成功させるためにはより強いエネルギーを与える必要があります。
したがって、出力の強いレーザー脱毛がヒゲ脱毛には向いていると思われます。
実際に光脱毛器としてよく紹介されるケノンと家庭用レーザー脱毛器のトリアを比較したレビューもありますが、出力の強いレーザー脱毛器のトリアの方が断然効果があるという報告もあります。
以下のリンクはYoutubeでケノンとトリアを顔の半分ずつに使ってその効果を検証していますが、トリアの方が断然効果があるという結果でした。
調査したところ、いわゆるレーザー脱毛器として市販されているものは2商品しかありません。
いずれもアメリカの脱毛器メーカーであるTria・Beautyが開発したレーザー脱毛器で、一つ目がトリア・パーソナルレーザー脱毛器 4Xでして、もう1つがトリア・パーソナルレーザー脱毛器プレシジョンです。
ホントはいくつか比較したかったのですが、レーザー脱毛器として売り出されている商品の中には光脱毛器のものがほとんどです。
レーザーはTria・Beauty社以外からは販売されていません。特許により保護されているため、Tria・Beauty社以外では開発できないためです。
ちなみにいくつか特許を確認してみましたが、一つ例を挙げるならば、日本で取得されているものとしては、家庭用のレーザー脱毛器として「必要な目に安全で毛の再生を抑える装置」という部分に焦点をあてて、特許が取得されていました。
家庭用として販売するにあたって、重要なポイントを抑えた戦略的な特許の取得方法のように感じましたし、上手く特許により保護されているため他社から競合製品が発売されていないものと考えられます。
トリアのレーザーの種類
使われている医療脱毛レーザーの種類には、大きく分けて4種類あります。
波長ごとに分類わけされており、波長が短い方から、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、YAGレーザーの4つです。波長が長ければ長いほど、皮膚深くまでエネルギーを供給でき、より深い位置に毛根がある毛の脱毛が可能です。
このうち、ルビーレーザーは波長が694nmと短く、メラニン色素により吸収されやすいため、日本人に対してはあまり用いられません。そのため、アレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、YAGレーザーの3種類が主流の医療脱毛レーザーです。
このうち、トリアで使用されているのがダイオードレーザーです。
ダイオードレーザーは波長810nmであり、皮膚においては2mm程度の深さまでレーザー光が到達します。
ヒゲを抜いてみればわかるとは思いますが、ヒゲは皮膚の表面に見えている部分から根元まで4~5mm程度の長さがあります。根元が深いことがヒゲ脱毛が難しい原因の一つと考えられます。
照射するときには、根元の毛母細胞へダメージを与える必要があるので、できるだけ皮膚を伸ばして皮膚の深部にある毛母細胞にレーザーの光を当てる必要があります。
何度もレーザーを打っているのに生えてきてしまう毛については、レーザーの到達する深度が足りていない可能性があります。毛根をできるだけ表皮に近づけることが重要です。
なお、アレキサンドライトレーザー、YAGレーザーの家庭用脱毛器は存在しません。
ヒゲ脱毛には4Xとプレシジョンのどっち?
4Xとプレシジョンの違いは以下になります。相違点を確認したうえで、ヒゲ脱毛には4Xとプレジションのどちらがよいか考察します。
4Xの方が大きく、レーザーの微調整機能、連続使用時間、カウンター機能に優れています。
バッテリー持続時間が長いことが最も重要なポイントです。局所的に生えているだけならばプレジションでも十分バッテリーが持つとは思いますが、ヒゲで悩むレベルであればある程度の面積に照射が必要です。
例えば、説明書で片側のワキの脱毛の照射回数は100回で5分程度です。脇下の面積を顔の面積に換算すると、個人差はかなりあるとは思いますが、顎下で5分、口下で10分、鼻下で5分、両頬で10分程度と考えると、だいたい30分程度です。
一度の充電でヒゲ全てに照射したいと考えれば、バッテリーが30分持続する4Xの方がオススメです。
ヒゲ脱毛という観点でも、痛みが強いことからレーザーの強さを微調整することが必要と考えられるため、細かな出力の調整ができる4Xの方が望ましいと思われます。耐えられる痛みの中でぎりぎりまで強いレーザーを照射することが効果的な脱毛に繋がります。
例えば、最大レベルで照射するのが脱毛効果の観点では望ましいですが、その分痛みも強いため、1つ下のレベルに落としたいということは良くあります。
レベルを1つ落とした時、4Xではレベル4で照射できますが、プレシジョンでは実質4Xにおけるレベル3でしか照射できません。効果的に脱毛したければ、強度を微調整できる4Xを使用するのが望ましいと思います。
Tria Beautyは信頼できるメーカーなのか
そもそも「Tria Beauty」なんていう会社は私は聞いたことがありません。
この会社は信頼できるメーカーなのでしょうか。
設立は2003年です。ルミナス社の「LightSheer™」という医療用のレーザー脱毛器の開発者らによって設立された会社でして、LightSheer™自体が1台1000万円以上のコストがかかることから、これを家庭用に使えるようにしたい、との思いからスタートした会社です。
ちなみにルミナス社は、レーザー技術を基盤にした種々の医療機器を開発しているアメリカの医療機器メーカーです。現在は「LightSheer Duet」という医療用のレーザー脱毛器が販売されており、医療脱毛を行っているクリニックでも採用されています。
まとめると、「Tria Beauty」は歴史の浅い医療脱毛業界であっても、その機器メーカーとして20年弱の歴史を持っており、なおかつ、トリア パーソナルレーザーの開発者はクリニックでも採用されるような製品(LightSheer™)を開発した経験があるということになります。
上記を鑑みると、普通に信頼できるメーカーと考えてもよいでしょう。
トリア・パーソナルレーザー脱毛器 4Xはヒゲ脱毛に使える?
トリアの説明書にも男女関わらず使用可能であるとの記載があり、ヒゲ脱毛にも十分使用可能です。
ただ、ヒゲは他の場所と比べて太い毛が密集しているため、強い痛みを感じる傾向にあります。成長のスピードも速くクリニックにおける医療レーザー脱毛でも10~30回以上の照射が必要と言われているため、トリアでのヒゲ脱毛は長期戦の覚悟が必要です。
また、ヒゲの毛根がかなり深いことも脱毛に時間がかかる要因になっているはずです。トリアのダイオードレーザーは皮下2mmまで到達するレーザーですので、できるだけヒゲの毛根に到達するように皮膚を薄く延ばしたり、トリアを強く押しあてて照射することが大事です。
トリア・パーソナルレーザー脱毛器 4Xの使用感
レーザー脱毛器 4Xの評価をピックアップしました。
男性です。下半身無駄毛・剛毛ボーボー(蚊が絡まるレベル)でした。入れ墨を入れる前に脱毛を思い立ち購入。一回の使用で1/3が生えてこなくなりビックリしています。
難点としては広域をするには充電が何回か必要なのと重さですかね。でも効果を考慮すると全然問題ないです。
下半身は痛覚の閾値が高いのか、あまり痛さを感じず、レベル5で全面を施行できています。ただ、ヒゲに対してはレベル1でも痛くて気合が必要でした。(でも、効果は出ています)
二回目の使用で使用後にローションを塗ることを忘れた部分が毛包炎になり、シンドイ思いをしたので忘れずアフターケアを!。
3回目、4回目の効果が楽しみです。
余談ですが、背中にある入れ墨に照射したらどうなるんだろうと思い、レベル1で照射したら激熱、激痛でした。40代 男性(2018/9/21)
めっちゃ痛い
男性は覚悟した方が良い。
めっちゃ痛い。
連続照射は有り難いです。30代 男性(2017/10/19)
効果はすごいが、痛みがかなり強いということが、男性使用者の意見です。
色素に反応する脱毛器なので、ヒゲなどの太い毛が多いと痛みが強くなる傾向にあるようです。
使用時に保冷剤で冷却しながら、レーザーを照射することと抗炎症作用のある軟膏やローションなどが欠かせないと思われます。
アフターケアのポイント
アフターケアのポイントとしては、毛包炎の発生を如何に抑えるか、できた毛包炎に如何に対処するかがポイントとなってきます。
毛包炎は毛包部にできた傷から菌が入り込んで炎症を起こしてしまう状態です。
原因となる菌としては、常在菌である黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が主に挙げられます。
基本的には皮膚を清潔に保つことが最も重要な予防ポイントですが、できてしまった毛包炎には抗菌薬入りの塗り薬を使用するのがオススメです。
自分でできる限りのケアを継続的にすることは重要ですが、あまりに酷ければ、皮膚科に行きましょう。
洗顔フォームも大事なケアポイントかと思います。
効能効果に毛包炎または毛嚢炎の表記があるOTCの塗り薬
ベトネベートN軟膏AS
ベトネベートN軟膏ASは抗炎症作用のあるベタメタゾン吉草酸エステルと抗菌成分のフラジオマイシン硫酸塩が配合された軟膏剤です。
ベタメタゾン吉草酸エステルはステロイドの強さとしては5段階の上から3番目である3群(Strong)に分類されます。
顔は皮膚が薄く、薬の成分が吸収されやすいため症状のある部分にのみ使用をとどめましょう。
フラジオマイシンはアミノグリコシド系抗菌薬に分類されます。細菌の30Sリボソームに結合し、タンパク合成を阻害することで細菌に対して殺菌作用を示します。
ちなみに、アミノグリコシド系抗菌薬は濃度依存的(最大濃度Cmaxが高い方が効果が高い)に殺菌力が高くなる抗菌薬です。塗り薬なので、そこまで気にする必要はないかもしれませんが、1回の濃度を十分に上げることが重要な抗菌薬です。
テラ・コートリル軟膏a
テラ・コートリル軟膏aはテトラサイクリン系抗菌薬のオキシテトラサイクリンとステロイドであるヒドロコルチゾンという2種類の薬が配合された軟膏です。
ヒドロコルチゾンはステロイドの強さの5段階評価では一番下の5群(Weak)に分類されます。
ベトネベートN軟膏ASと比較すると、作用の弱いステロイドが配合されていることが特徴です。
テトラサイクリン系抗菌薬は時間依存型(最小発育阻止濃度MICよりも高い濃度で菌と接触する時間が長い方が効果が高い)の抗菌薬です。ある程度の濃度(MIC以上)を保ち続けることで効果的に効く抗菌薬です。こちらもOTCの塗り薬なので神経質になる必要はありませんが、1日2~3回程度塗る方が好ましいと考えられます。
軟膏の使い方
ベトネベートN軟膏AS、テラ・コートリル軟膏aのいずれも用法には、1日1~数回程度患部に塗布する、との記載があります。
どちらの軟膏を使う場合でも、トリアの使用後に1回塗布、その後は風呂上りに1日1回塗布というのがオーソドックスですかね。
まとめ
色々と御託を並べましたが、トリア・パーソナルレーザー脱毛器 4Xに挑戦してみようと思います。
結果については後程。
パーソナルレーザー脱毛器 4Xの中身
4Xの開梱の様子を紹介します。
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